となりのトトロ

宮崎駿監督の『となりのトトロ』といえば、これまでにネットで都市伝説のような裏設定が、いくつも語られてきました。
しかし、公式に語られた設定ではなく、妄想から広まった噂話のものばかり。サツキとメイは死んでいたという、都市伝説を鈴木さんが否定していたのも、記憶に新しいところ。



そんな、『となりのトトロ』の裏設定が、鈴木さんの口から語られました。5月30日に行われた、LINLIVEの「鈴木敏夫×押井守×川上量生」対談で語られたもの。なんと、かつて太古の昔に、トトロと人間は戦っていたそうです。

人は、かつて森のトトロ族と戦った

押井:
宮さんって、最初に企画を喋ったりとかすると、最初の段階ではけっこうヤバイこと考えてるじゃない。「そんなことやっていいんですか!?」っていう。

鈴木:
そう。

押井:
出来あがってみると、収まるところに収まってるんだよね。あのバランス感覚って、なに。

鈴木:
バランスの人なのよ。だって、『となりのトトロ』だってね。いちばん最初に、ぼくが聞いた話は「かつて、トトロ族っていうのがいた」って言うんですよ(笑)。それで、太古の昔、人間とトトロ族が戦うんですよ。

川上:
そんなに殺伐とした話だったんだ(笑)。

鈴木:
それで、人間のほうが優れていて、トトロ族はやっつけられちゃうわけ。そのなかの、生き残りがいたんですよ。それが、時代時代のなかで、ひょこっと顔を出す。あるときは「もののけ」と呼ばれたり、あるときはオバケだと思われたり、そういう話だったんですよ。

川上:
全然違いますね(笑)。

押井:
最初に考えるときは、わりと壮大なところから下ろして考えるんだけど、いざ作り始めるとキャラクターの周りだけになっちゃうんだよ。

鈴木:
それで、現代の所沢に、トトロ族の末裔がひょこっと顔を出した話なんだ、って言い出すわけですよ。そうすると、トトロ族と人間の戦いは、いったいどこに行ったのっていう(笑)。
で、この人間とトトロ族の戦いって、宮さん絵にしてるのよ。イメージボードのなかにあるの。

川上:
それ聞いて思うのは、本来のトトロは、むしろ『狸合戦ぽんぽこ』のほうが近いっていうことですよね(笑)。

鈴木:
人間に滅ぼされたものたちなんですよ、トトロ族っていうのは。

(略)

鈴木:
でも、押井さん覚えてるんだ、トトロ族を。

押井:
覚えてるよ! なにデタラメやってんだよ!って(笑)。

鈴木:
結局、(設定が)どっか行っちゃうんだよね。

押井:
そのときそのときで、自分の思考に支配されてるのかな、あの人。脈略が、どうなってんだか、全然わからないもの。

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