『天空の城ラピュタ』に出てくるロボット兵が、ルパン三世の『さらば愛しきルパンよ』に“ラムダ”というロボットとして出てくることは有名ですが、その元ネタは、フライシャーというアニメーターが作った、アニメ版『スーパーマン』にあったようです。
きっと、有名な話なんでしょうけども、つい最近知りました。



ニコニコ動画にフライシャー版『スーパーマン』がアップされていたので、早速観てみたんですけども、シチュエーションだとか動きが、ほんとうに、『愛しきルパン』とそっくりです(笑)。
ただ、ロボットのデザインは、完全に別ものだと思います。

BSアニメ夜話 vol.01 ルパン三世 カリオストロの城」という本で、岡田斗司夫氏がこのことについて語っています。

 

引用が多いことは傷ではない

岡田:
宮崎駿っていう人は、いわゆる映像的な意味での読書家なんですよ。読書家というのは色んな本を読んで吸収して、それを自分で(他人に)話すでしょう。でも、お前の言っていることはニーチェとかキルケゴールのパクリじゃないか、とは言われないでしょ? 宮崎駿は映像的に読書家なんですよ! 映画を凄くいっぱい観て、それと似たようなモノを描くんですけど、僕にしてみれば、何かね、ちょっとずつ面白くなっているんですよ。

乾:
自分のモノになっているわけですか?

岡田:
僕らはね、僕はアニメ関係者っていうのは、あのアニメを映画としてみると同時にね、アニメとして見るんです。で、アニメとして見ると……。

国生:
え、意味が分からない。

岡田:
宮崎さん上手いじゃん、て思うんです。そんな昔のビデオもない時代のやつを、たぶん戦後すぐか、戦前ぐらいに1回観ただけで、三十数年して、手先で再現できるその力はスゴイと。褒め称える力になっちゃうんです。

例えばね、ルパン三世のテレビシリーズで宮崎駿がやったやつで、「さらば愛しきルパンよ」というのがあるんですよ。これはね、フライシャーというアメリカの映画監督が作った「スーパーマン」のアニメ版のですね、「快ロボット出現」というロボットが銀行強盗をするシーンと、本当に! 同じなんですよ。これはもう、絶対にね、何の言い訳も出来ないくらい、秒数から動きから完全に同じなんだけども、でも宮崎さんのほうがカッコいいんですよ。ロボットのデザインと、一瞬(ロボットの動きを真似する)こうやるときの、ほんのちょっとしたタメとかがフライシャーがやった奴をココに置いて描いているのではなくて(横で見ながら真似して描いたのではなくて)、頭の中にあって「あれフライシャーこうだったよな、でも俺の方が上手いもんね~」みたいな感じで。