「ユリイカ 2018年7月臨時増刊号」高畑勲監督の追悼特集を組んだ「ユリイカ 2018年7月臨時増刊号」が、青土社より6月29日に発売されます。
『太陽の王子_ホルスの大冒険』から『かぐや姫の物語』までの高畑作品を軸に、高畑さんと親交の深かった小田部羊一さんや池田宏さんによる寄稿文や、百瀬義行さんや山本二三さんらが高畑作品をふり返ります。



「ユリイカ 2018年7月臨時増刊号」目次

総特集 高畑勲の世界――『太陽の王子ホルスの大冒険』『アルプスの少女ハイジ』『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』…アニメーション監督の軌跡

図版構成
大塚康生のアルバム / 提供=大塚康生

パクさんと――
パクさんと巡ったイタリアの旅 / 小田部羊一(聞き手・構成=叶精二)
アニメーション作家・高畑勲さんとの特異な出会いと知られざる教育活動 / 池田宏
トコトコ歩く / 竹内孝次

批評家と実務家
高畑勲の批評性 / 福嶋亮大
すこしものたりないくらいの幸せ / 中田健太郎
五九年世代と「演出中心主義」――高畑勲と東映動画の〈長い六〇年代〉 / 木村智哉
民衆・女性・マイノリティ――高畑勲の映画における戦後民主主義のイメージ / 山本昭宏

作品を作りながら考える
誰が描いても「高畑さんの作品」になる / 百瀬義行(聞き手・構成=叶精二)
『火垂るの墓』の赤い色は降魔色だった。 / 山本二三
TVにおける高畑勲の仕事 / 五味洋子

演出という営為
6Pチーズをコンロの火にかざしてみたけれど――「名作文学アニメ」を完成させた高畑勲監督の仕事 / 津堅信之
他者との交渉――『赤毛のアン』『じゃりン子チエ』『おもひでぽろぽろ』 / 石田美紀
高畑勲の描いた「普通」と「理想」 / 藤津亮太
高畑勲と共感の倫理 / 八重樫徹

高畑勲の“ことばたち”
プレヴェールというリアル――高畑勲訳および注解『ことばたち』をめぐって / 高畑勲+中条省平
躍動するスケッチを享楽する / 高畑勲(聞き手=中条省平)

高畑勲をかたちづくるもの
人生の宝物――高畑勲を偲ぶために / イラン・グェン
一二世紀から二一世紀へ /土居伸彰
高畑勲のジャック・プレヴェール翻訳『ことばたち』 / 國枝孝弘
日仏におけるポール・グリモーという存在――制作者として、あるいは研究者としての高畑勲の視点から / 雪村まゆみ
高畑勲と今村太平『漫画映画論』 / 佐野明子
高畑勲の遺言 / 萩原由加里

高畑勲の描いた絵図
絵の代わりに――高畑勲の描いたもの / 奈良美智(聞き手=蔵屋美香)
読み解く身体――『ホーホケキョ となりの山田くん』と『十二世紀のアニメーション』 / 細馬宏通
高畑勲と思考の演出術 / 石岡良治
高畑勲の孤独にしてラジカルな闘い――実写とアニメの境界で / 吉田広明
高畑勲作品の音楽語法 / 有吉末充

監督の仕事と横顔
高畑勲との交差に至るまで / 片渕須直(聞き手=木村智哉)
草原に寝転ぶ人、あるいは狸。 / 叶精二
みずみずしく自由に / 坂口理子

「漫画映画の志」に向かって
美しい悪魔の妹たち――『太陽の王子 ホルスの大冒険』にみる戦後日本人形劇史とアニメーション史の交錯 / 鷲谷花
春のほうへ / 髙山花子
『じゃりン子チエ』の心象地図――高畑勲の「ディープサウス」 / 酒井隆史
映画と大地の間にあるもの――『柳川掘割物語』その後 / 中谷礼仁
『火垂るの墓』の葬送するもの――戦争が壊した「大人たち」の権威 / 遠藤正敬
不快感と向き合うこと――『おもひでぽろぽろ』論 / 可児洋介
狸の物言わぬ屍に応答するために――『平成狸合戦ぽんぽこ』論 / 村上克尚
ボブスレーのアニメーション――『ホーホケキョ となりの山田くん』と『ジュラシック・パーク』 / 高瀬司

アニメーション監督の軌跡
高畑勲略年譜 / 叶精二

ユリイカ 2018年7月臨時増刊号
発売日:2018年6月29日
価格:1728円(税込)

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