米林宏昌監督のインタビュー記事。
アリエッティの制作についてのもの。

 身長約10センチの少女、アリエッティは14歳。両親と郊外の屋敷で、床上に住む人間たちの目から逃れて生活していたが、12歳の少年、翔(しょう)に気づかれてしまう…。

 「人間を巨人に描き過ぎると怖い存在になってしまう。そう見せないように工夫した」。例えばアリエッティの視点では、翔の目はきらきらと輝き、その唇の動きがしっかりと分かる。人間とコミュニケーションがとれている様子を繊細な表情の描写でとらえた。

 中でも興味深いのが、水のシーンだ。ポットから注がれる飲み物や水滴は“粘り気”を表現した。点滴の針の先から薬液がゆっくり落ちてくるような描き方。とても小さい道具を使っていることが、暗に分かる。小人のスケールを観客に伝えるための演出だ。小人たちが自身の家の中にいる場面では、比較のものさしがないため規模が分かりにくい。「水は小さな存在を表現するのに利用できると思った」という。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100806/tnr1008060817003-n1.htm