高畑勲画家・熊谷守一の展覧会「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」が開催されている東京国立近代美術館で、高畑勲監督による講演会が行なわれました。
明るい色彩と単純化された風景や動植物の絵で知られる熊谷の作品に長年惹かれてきたという高畑監督は、その作品の魅力を語りました。



本展は、没後40年、97歳まで生きた画家の初期から晩年までの200点以上を集め、スケッチや日記などの資料とともに画家の創作の秘密に迫る大回顧展。

高畑監督は「熊谷守一を研究するにあたって一段階上がったような素晴らしい展覧会」と褒め称え、「例えば、僕は奈良美智さんの絵もじっと見入ってしまう。本で文字と一緒に見るとイラストっぽく見てしまうけれど、本物と対面するとまったく違う。熊谷守一の絵も同じでそこに喜びがある。そのように訴えかけてくるものがある絵はそれほどたくさんないのではないか」と、美術館で絵のサイズを確認し、色や筆致など作品の細部まで鑑賞する意義を語り、「仙人のような人と言われるが、人物と(作品を)一体化する必要はない、絵だけを見ているだけで十分面白い」と語りました。

展覧会「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」は、東京国立近代美術館で、3月21日まで開催。映画「モリのいる場所」は、昭和49年に熊谷守一が過ごすある一日を、山崎務主演でフィクションとして描くもの。5月公開となります。

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび
会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)
時間:10:00~17:00(金・土曜日は20:00まで、入館は閉館30分前まで)
会場:東京国立近代美術館
休館:月曜日