平成狸合戦ぽんぽこ高畑勲監督が阿波の狸合戦に着想を得て作られた『平成狸合戦ぽんぽこ』。作中には、小松島市の「金長だぬき」が登場しており、1994年6月にはヒット祈願を兼ねて同地に訪れています。
昼食会場となった地蔵寺の服部宏昭住職は「物静かだが、知的好奇心が旺盛な方だった。金長だぬきは雄々しく立派な役を与えてもらい、タヌキと人間が共生する理想郷として描かれていた」と話す。



作中にも登場し、高畑さんがヒットを祈願した金長大明神は現在、取り壊しが計画されており、住民団体「金長神社を守る会」が存続を求める活動をしています。会員でもある服部住職は「精神的な後ろ盾を失ったようで非常に悲しい。天国から見守ってもらえたら」と悼んでいます。

高畑さんは92年10月には貞光町(現つるぎ町)の貞光劇場で開かれた「高畑勲映画祭」に招かれた。主催した貞光ふるさと探偵団団長の阿佐哲也さんは映画祭の夜に酒を酌み交わし、自分たちの話に目を細めて耳を傾けてくれたことが忘れられないと話しました。