鈴木敏夫現在、「第38回PFFぴあフィルムフェスティバル」が開催中の東京国立近代美術館フィルムセンターで、「PFF講座シリーズ 映画のコツ~こうすればもっと映画が輝く~」が行われ、鈴木敏夫プロデューサーと、昨年『恋人たち』が絶賛を浴びた橋口亮輔監督が“新しい表現”をテーマに対談を行ないました。



鈴木プロデューサーは「今の日本映画は表現が説明過多で、うんざりしちゃう」と苦言を呈しました。また、2年前に公開された『思い出のマーニー』に関しては、「誇張して言えば、決定稿の厚さが初稿の3倍くらいになっていて、がく然とした。あらゆることを説明していて、心の声もセリフにしてしゃべっている。なんで、いちいち説明するのかなと思った」と振り返っています。

ジブリにとって、初の海外共同製作となる最新作『レッドタートル ある島の物語』に話題が及ぶと、橋口監督は「過剰な表現をしておらず、セリフもない。シンプルだからこそ勇気が要ったはず。よくジブリでお作りになったと思うし、話題になっているヒット作の対極にある、ストイックな美しさがある」と同作を絶賛しました。

「よく東宝が150館で公開しますね」と橋口監督が口にすると、「僕もびっくりしている。そもそもはマイケル監督の長編が心の底から見てみたいという出来心だったんだけど」と鈴木プロデューサーも大規模公開に驚いていることを明かしました。