今夏公開の『思い出のマーニー』の主演ふたりの声優が発表されました。
スタジオジブリ初のWヒロインを擁する作品となり、その声を、テレビドラマ「ブラック・プレジデント」(フジテレビ)に出演中の高月彩良とNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でブレイクした有村架純という声優初挑戦の2人が務めることがわかった。



本作は宮崎駿・高畑勲の両巨匠が一切関わっていないジブリ初の長編アニメーションで、全編英語の主題歌(プリシラ・アーンの「Fine On The Outside」)もジブリ初。宮崎駿監督の長編アニメ映画からの引退で今後が注目されているジブリが、「一つ目の挑戦」として取り組む記念碑的作品となる。

ジョーン・G・ロビンソンの同名児童書を原作に、舞台をイギリスから日本・北海道に変えた本作。ある理由で札幌から海辺の村へ引っ越してきた、疎外感を抱き、自分が嫌いだと言う12歳の中学生・杏奈は、何十年も人が住んでいないはずの“湿っ地屋敷”で金髪碧眼(へきがん)の少女マーニーと出会い、ひと夏を過ごすことに。脚本も手掛ける『借りぐらしのアリエッティ』の米林宏昌監督が、二人の少女が分かち合った秘密、そしてたどり着いた真実とは何だったのかを繊細に描き出す。

「物語の醍醐味はアンナとマーニーの会話です。その会話によって、二人の心に微妙な変化が生じていきます」と語る米林監督は、「この二人の声だけはオーディションにしたい」と昨年末に3日間にわたってキャストオーディションを実施。そして、真っすぐで生きるのが不器用な杏奈を体現した高月、杏奈が憧れるマーニーのように女子から憧れられる声・存在感を持つ有村を約300人の候補者の中からWヒロインとして選び出した。

「その場で米林監督から『あなたが杏奈です』と言われ、一瞬何のことだかよくわかりませんでした。ですが、周りの方々からおめでとうと言われ、台本を渡されたとき『杏奈がわたし!?』と一気に鳥肌が立ちました」と興奮気味に振り返った高月は、「一生懸命に杏奈を知って、杏奈に命を吹き込むことができたらいいなと思っています」と意欲十分。有村は「数々の役者さんがアフレコをしてきた中、自分もその憧れの世界に飛び込んでいけることに、不安ももちろんありますが、今は監督やキャストの方々と、素晴らしい作品を作るぞ! という前向きな気持ちでいっぱいです」と期待に胸を膨らませている。

Wヒロインといえば、アニメ映画の世界歴代最高興行収入を記録したディズニー映画『アナと雪の女王』が記憶に新しい。西村義明プロデューサーは「『完全無欠のヒーローが女性を救う』という映画があった時代があって、その次に『悩めるヒーローを女性が支える』という映画が出てきました。今、2014年になって『男性は女性を救えない』というのが世界的に理解されたんだと思うんですよ。『女性の問題は女性が解決しなくちゃいけない』という。Wヒロインというのは時代の必然性があるんじゃないのかなと思いますね」と分析している。

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