ジョバンニ・ミラバッシピアニストのジョバンニ・ミラバッシ氏が、日本のアニメソングをピアノ・トリオ編成で新レコーディングした『Animessi ~Le Chateau dans le Ciel~』(『アニメッシ~天空の城ラピュタ ほか~』)を発売。今作に収録されるのは、ミラバッシ本人が選んだスタジオジブリ作品を中心とした名作アニメソングの数々。



ジョバンニ・ミラバッシはイタリア出身のジャズ・ピアニスト。2001年のソロ・ピアノ作『AVANTI!』が母国でヒットすると日本でも注目が集まり、2004年からは定期的な来日公演を重ねて不動の人気を確立しています。ミラバッシはいかにして親日家になったのか、日本への想いを語りました。

ミラバッシ:
35年前から、日本のアニメがどれだけ世界で人気があるかということを、おそらく日本人が一番認識していないのではないかと思います。そしてぼくが子供の頃からずっと、アニメ浸けだったことも(笑)。

(略)

子供時代にはクリスマス・シーズンにイタリアのTVでアニメが流れていて、偶然父親といっしょに観た『風の谷のナウシカ』のストーリーの美しさに感動したのです。ナウシカ姫に恋をしました。それから他の作品を観るにつれて宮崎駿アニメのファンになり、劇中音楽にも興味を抱くようになりました。宮崎アニメは、『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『千と千尋の神隠し』など、作品によって対象も描かれる世界も違います。『天空の城ラピュタ』は戦いの多い物語でした。つまり子供向きだったり大人を含めた内容だったりするので、作曲家に対する要求も作品ごとに違ったはずです。宮崎監督と作曲家の久石譲さんはイタリア映画に例えれば、フェデリコ・フェリーニ監督と作曲家ニーノ・ロータの出会いに匹敵すると思います。

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宮崎監督も久石さんもイタリアに対して憧れを持っているのではないでしょうか。『紅の豚』はイタリアを舞台にした物語で、エンジンに“GHIBLI”の文字がありましたね。劇中ではぼくの『AVANTI!』でも取り上げたフランスの革命歌が使用されていました。地中海沿岸のヨーロッパからフランスにかけての地域の文化や心情に、お二人が憧れを持っていると想像できることも、ぼくがジブリ・アニメとその音楽に共感する部分なのです。

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宮崎アニメがこれだけ世界中でヒットしていることを考えれば、久石さんの知名度がもっと上がって高く評価されてもいいはず。でもそうではないのは、映画が扱うテーマやストーリーが世界の映画産業を牛耳っているハリウッドの思惑に沿わないからだと、ぼくは思っています。

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宮崎監督とお会いしたことはまだないのですが、ぼくのファンだそうで、CDはすべてお持ちだとうかがいました。『Animessi』のレコーディングの前にそのことを知っていれば、なんらかの方法で新作についてお伝えしていたでしょう。今回の東京でのコンサートにも来場されたいとのことなので、ぜひそれは実現すればいいなと思っています。

このインタビューの後日、3月13日の武蔵野スイングホール公演に、宮崎監督と、『Animessi』収録曲であり『紅の豚』の主題歌「さくらんぼの実る頃」を歌った加藤登紀子が来場。お二人とミラバッシ・トリオの記念写真、および宮崎監督からの御祝の献花の写真が現在、ミラバッシのFacebookページにアップされました。

Incroyable. Hayao Miyazaki fait partie de mes fans. Ici avec la chanteuse Tokiko Kato dans ma loge à Musashino, le 13 mars.

Posted by Giovanni Mirabassi on 2015年3月22日

ジョバンニ・ミラバッシFacebookページ

『Animessi ~Le Chateau dans le Ciel~』
(『アニメッシ~天空の城ラピュタ ほか~』)

1.君をのせて(『天空の城ラピュタ』)作曲:久石 譲
2.人生のメリーゴーランド(『ハウルの動く城』)作曲:久石 譲
3.クラッチ(『カウボーイ・ビバップ』)作曲:菅野よう子
4.炎のたからもの(『ルパン三世 カリオストロの城』)作曲:大野雄二
5.旅路(夢中飛行)(『風立ちぬ』)作曲:久石 譲
6.愉快な音楽Ⅰ~Ⅴ(『ホーホケキョとなりの山田くん』)作曲:矢野顕子
7.風の伝説(『風の谷のナウシカ』)作曲:久石 譲
8.グラヴィティ(『ウルフズ・レイン』)作曲:菅野よう子
9.銀色の髪のアギトBGM(『銀色の髪のアギト』よ)作曲:岩崎 琢
10.さくらんぼの実る頃(『紅の豚』)作曲:Antoine Aime Renard

アニメッシ~天空の城ラピュタ ほか~
ヨーロッパのジャズ界を代表する人気ピアニストの一人、ジャヴァンニ・ミラバッシのアルバム。スタジオ・ジブリ制作のアニメを中心に、ピアノ・トリオで新たにレコーディング。名作アニメを彩ったアニメ・ソングの数々をリリカルにプレイする一枚。

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